技能実習生の労災に伴う「臨時監査」について

現在、技能実習生受入れの実習実施者(企業)に対して、監理団体(組合)は3ヵ月1回以上の定期監査を実施しております。これとは別途「臨時監査」というものがあり、運用要領上では下記のように規定されています。

技能実習法第16条第1項に規定されている各種法令違反の疑いがあった場合には、監理団体は速やかに臨時的に監査を実施し、状況確認のうえ、外国人技能実習機構へ報告する必要があります。当組合の受入れ企業様ではコンプラ面において整備が進んでおり、該当するリスクは小さいと考えますが、運用要領の記述のなかには、上記の法令違反の疑いの例として下記のような記載がございます。

「実習実施者が技能実習生の労働災害を発生させたなど労働関係法令に違反している疑いがあるとの情報を得たとき」

「労働関係法令に違反」や「疑い」等の微妙な表現もあり、判断が難しいところでしたが、外国人技能実習機構からの指摘・解説等を得る機会があり、原則として下記のような運用が一般的であることが判明いたしました。

★技能実習生の労災については、休業有無や休業日数に関わらず、また法令違反が付随しているかに関わらず、被災があった場合には必ず速やかに臨時監査に入らなければならない

機構地方事務所により多少見解のグラデーションはありますが、大筋このような運用を行う必要があります。つまり技能実習生の労災があれば、監理団体はすべからく臨時監査を行うということになります。当組合の組合員企業様においても、労災の発生はゼロではないため、この点留意が必要となって参ります。

労災発生時には、定期監査とは別途こうした臨時的な訪問監査を行う必要があり、企業の皆様にはご不便をおかけしますが、今後このような運用といたしますので、ご協力のほど宜しくお願いいたします。


また、技能実習・特定技能を問わず(また日本人職員等を問わず)、労災予防の重要性が増していると考えます。両制度では、労働関係法令(労働安全法令含む)の遵守が受入の前提として明記されています。また、少子高齢化のなか、女性や高齢者の就業者が増加しており、日本での労災発生件数は年々増えているのが現状です。高齢者の労災低減のためのエイジフレンドリーガイドラインも厚労省より公表されております。当組合としては、フォーリナーフレンドリーガイドラインとでもいうべき外国人材向け(外国人材受入れ企業向け)の指針を策定していく取り組みを行って参ります。