特定技能の受入れ上限枠と職種分野の拡大について
技能実習制度の改定関連として、後継の育成就労制度の上位資格である特定技能の受入れ拡大について報道がなされていましたので、ご紹介します。
2019年施行の特定技能制度では当初の5年間で約34万人の受入れ枠を想定してスタートしておりました。最終的にはコロナの影響等もあり、この5年間では20万人の受入れという結果になりました。報道全体としては、スタート5年の受け入れが「低調」であったとの論調となっていますが、実際の現場の肌感でいうと逆の感覚もあります。
コロナ禍で技能実習生が入国できない期間が発生したことで、フレッシュな技能実習生への入れ替えができず、国内在留延長者の特定技能での延長受け入れや転職受入れなどが窮余の策として採用され、特定技能受入れの機運が加速したと感じます。特定技能者の受け入れにはメリット・デメリット双方あり、二の足を踏む企業も多かったと思いますが、20万人の受け入れというのは、コロナ直前の技能実習生人数の約半数ですので、相応のボリュームになったと評価します。
さて、次の2024年からの5年間の受け入れ枠ですが、大幅増の82万人とするとのことです。この5年間のなかで、技能実習後継制度の育成就労から特定技能への一貫性のある制度となること、また特定技能として受け入れできる職種分野を拡大することなどが受け入れ枠増の大きな要因でしょう。
3月5日時点での報道では、特定技能の分野拡大は「自動車運送」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野になりそうとのことでしたが、7月時点でさらなる分野拡大が読み取れる報道がなされていました。
▼特定技能受入れ分野拡大対象(案?)
- 「自動車運送」
- 「鉄道」
- 「林業」
- 「木材産業」
- 「鉄鋼業」
- 「繊維業」
当然ですが、育成就労との職種分野の一致が前提ですので、育成就労でもこうした対象分野が設定され、一貫性のある受入れ制度が構築される見込みです。
(下記、日経新聞から抜粋させていただきます)